幼児部門の最優秀賞金賞は、暁星幼稚園に通う白方啓(しらかたけい)さん。小学生高学年部門最優秀賞金賞の白方創(そう)さんとは、なんとご兄弟。見事、兄弟揃っての受賞です。ご自宅から、お母さま、お兄さまと3人でオンラインインタビューに応じてくれました。

白方 啓さん
兄である創さんが弾いている姿を見て、「楽しそうだな」と思ったことがきっかけでヴァイオリンを始めたという啓さん。実際に始めてみると、思っていた以上に難しかったそうです
夜にお母さまと一緒に1〜2時間練習するのが日課になっています。「お母さんが忙しいときは1人でやる時もあるけど、ごはんのあとは一緒にやります。」

兄弟喧嘩も多いそうですが、気が向いたときに兄の創さんが教えてくれることも
現在レッスンを受けているのは、岩崎裕子先生と、元NHK交響楽団のコンサートマスターである篠崎史紀先生(通称・マロ先生)。
岩崎先生の教室では、基礎からじっくりと教わってきました。最近は弓の持ち方に気をつけているそうで、「持ち方を変えたら音が良くなった」と、その成果をうれしそうに話してくれます。日々の練習でも、姿勢と弓の持ち方には特に気をつけているそうです。
一方、マロ先生のレッスンは、まだ始まったばかりで数回しか受けていないそうですが、啓さんに感想を聞いてみると「マロさんはすっごくおもしろい!」と元気いっぱいの答えが返ってきました。お母さまによると、「『マジャールの踊り』をマロ先生に習った時には、ハンガリーの民謡のリズムについて詳しく説明してくださいました。いつも、噛み砕いて分かりやすく教えてくださっています」とのことで、トップアーティストならではのアプローチが、啓さんの感性を刺激しているようです。

マロ先生との初めてのレッスン。
「あと◯日でマロ先生のレッスン」とカウントダウンをして楽しみにしていました
今回のコンクール出場も、やはりお兄さんの影響が大きかったようです。「お兄ちゃんも出るし、僕も出てみようと思って」と啓さん。演奏したのは、啓さん自身が「大好き」だというリュリの『ガヴォット』。練習では、曲の表現の鍵となる「悲しい音」と「明るい音」をどう弾き分けるか、という点に特に工夫を凝らしたそうです。
ヴァイオリンの練習の中で特に難しいと感じているのは、「小さくて悲しい音をきれいに出すこと」だと、啓さんは率直に語ります。「小さい音のところで、弓が(弦から)上がったりブルブルしたりしちゃう。でも、明るいところや元気なところは得意です!小さい音じゃなければ悲しい音も出せます」と、自分の得意不得意をはっきりと分析し、胸を張って教えてくれました。
初めて立つ大きなホールの舞台では、緊張もあったようです。「いつも(舞台袖から出て)あいさつする前にドキッとするんです。いつもはその後は大丈夫なんだけど、この時はず〜っと緊張してました」と、当時の心境を振り返ります。それでも、「でもうまく弾けたと思います」と自己評価は上々。結果は見事、最優秀賞金賞。しかし、受賞を知った瞬間は「えっ!?」とびっくりしたそうです。
審査員の講評内容について尋ねると、「おじぎの仕方がかっこいいねって書いてあった!」と啓さんは嬉しそうに話してくれました。お母さまは「音色の変化や音楽の流れが良かったとか、温かいコメントをたくさんいただいて、すごく嬉しかったです」と、音楽的な評価もしっかりと受け止めていらっしゃいました。
コンクールが終わり、啓さんはすでに次の曲、バッハに取り組んでいます。「右手を(弦の上で)動かすところですべっちゃうことがある。トリルも指がうまく動かなくて難しい」と、新たな壁にぶつかりながらも練習に励む日々を明かしてくれました。
また啓さんの興味は、ソロ演奏だけにとどまりません。最近は、マロ先生が芸術監督を務める東京ジュニアオーケストラソサエティをきっかけに、オーケストラへの憧れも抱いているそうです。「コンクールもいっぱい出たい!」と、その意欲は尽きることがありません。

サッカーと水泳が大好きな啓さん
これほどまでにヴァイオリンに打ち込む啓さんですが、ヴァイオリン以外に普段何をしているか聞いてみると、次から次へと好きなことが飛び出してきて驚かされました。「水泳とサッカーが好き。水泳は今、バタフライと平泳ぎをやっています。クロールは125メートル泳げます!」と、スポーツマンとしての一面を誇らしげに話します。
家では、『かいぞくポケット』の本を読んだり、絵を描いたり、外でサッカーをすることもあります。
そんな多才な啓さんに将来の夢を尋ねると、「大きくなったらサッカー選手かヴァイオリニストになりたいです。あとは水泳の先生かな」と堂々と答えてくれました。どれも啓さんにとって本当に大好きなことばかり。さらに、今は空手も習ってみたいそうで、「時間が足りない」とお母さまは嬉しい悲鳴を上げていました。

年少の頃。初めての発表会はバッハのメヌエットを弾きました
インタビューの最後に何か話したいことがあるか尋ねると、啓さんは嬉しそうに本大会で贈られた盾とトロフィーを持ってきて、画面越しに見せてくれました。「盾とトロフィーを両方もらえて嬉しかった!こういうのがもらえると、すごくうれしいし、また出たいと思います!」
本大会で堂々とした弾きっぷりを見せてくれた啓さん。実際にお話ししてみても、非常に利発で元気いっぱいのお子さまでした。インタビューの日も、翌日に別のコンクールの本番を控えているとのこと!やはり多忙な啓さんなのでした。また、素敵な演奏と周りを明るくする楽しいお話を聞かせてもらいたいと思います。
全国大会での白方啓さんの演奏はこちら。

